中判カメラ入門

やっぱり銀塩、中判カメラを楽しむ!

filmPhoto

今やカメラと言えばデジカメを指す時代になってしまいました。確かに、結果がすぐ確認できるし、フィルム交換もしなくていいしとても便利だけど、やっぱり趣味のカメラというよりも道具みたいな感じがするだよなと言う方は結構いるんですよね。オートマチックな35mm一眼レフもなじみやすくていいけど、ちょっとステップアップしてみませんか。余暇や趣味として写真を楽しむなら、断然仕上がりが良い中判カメラがおすすめです。撮影結果だけでなく、シャッターの感触、巻き上げ、構図や絞り、ピントの位置など撮影までの過程も楽しめるのもまた良い所。中判カメラを挑戦してみましょう。

35mmと中判カメラの一番の違いは使用するフィルムが違います。ブローニー判フィルム(120,220)というやつを使います。ロクヨゴ(6×4.5)、ロクロク(6×6)、ロクナナ(6×7)なんて感じで画面サイズを表現します。実寸は違いますが感覚的に6センチ×4.5センチサイズ、6センチ×7センチの画面サイズだと考えてください。ロクロクは正方形フォーマットになります。  左の写真のように35mmに比べて当然フォーマットが大きいので、画質や諧調の差は一目瞭然。背景の細かい部分のディテールの表現や、グラデーション部分の諧調は豊富です。35mmやデジカメでは得られない魅力たっぷりです。ポジならルーペが要らないのがいいでよね。中判の世界に踏み込めば写真の楽しさが広がりますよ。

難しい、敷居が高いと中判は思いがちですが、全くそんなことはありません。撮影現場で他の人が中判カメラや長玉(高価な望遠レンズのこと)をぶらさげてるとさもさぞかし上級者に見えてしまいがちですが、カメラの基本的知識があればどうってことありません。操作方法さえ解れば、誰でも使いこなせます。ただ、フィルムのセットの仕方が35mmと違いカメラによって異なるのでそのへんで躊躇され方も意外と多いみたいですね。そこで、実際にカメラを使ってブローニフィルム装着の仕方を見てみましょう。
ペンタックス67編 ペンタックス645編 マミヤRZ67編

焦点距離と被写界深度に注意することが必要です。35mmの標準は50mmですが、ブローニー判だと画面サイズが大きくなるのでフォーマットにより変わります。6×4.5、6×6判で80mm前後、6×7判で100mm前後となります。 35mm換算する場合は6×4.5、6×6判で0.6掛、6×7判で半分と覚えておきましょう。参考として35mm換算表をご覧ください。

ピントがシビアと中判は言われますが、実際その通りで画面サイズが大きくなればれるほどピントの深度が浅くなります。風景や集合写真なんかは絞り込んでカッチリ写すのが基本です。慣れるまではじっくりピントを合わせて丁寧な撮影を心がけましょう。ピントの効果的な合わせ方の手本も紹介いたします。
逆に深度が浅いのを利用してポートレート等背景のボケを有効に使うことも出来ます。6×7判で2絞りから2絞り半ぐらいの違いがあります。例えばペンタックス67用の165mmF2.8のレンズを開放で写したとすると35mm換算で85mmF1.2からF1.4相当の深度になりボケを楽しむことが出来ます。
またフォーマットが大きい分ぶれがあるとより目立ちます。手ぶれに注意しましょう。基本的に大きく重い中判カメラには、しっかりした三脚が必需品です。ズナップのような撮影でない限り三脚をできるだけ使用し、ミラーアップができるカメラであればミラーアップを活用しましょう。また、ブレだけでなく構図を決めるのに三脚は有効です。ほかにレリーズがあれば長時間露光の時などに助かります。

ここ数年デジカメに移行する人が増えたため手放す人も多く、今や中判カメラは絶好の買い時です。中判カメラと言っても、操作が楽なAF付きのオートカメラや、全てセルフ作業となるもの等、種類は豊富です。ハッセルやローライ等の一部の高価なカメラを除いては中判の中古カメラ市場は買いやすい価格で安定してきております。写真愛好家には嬉しい限りですね。ちょっとした記念写真なんかも中判でバッシッと撮るのもいもんですよ。そのうちフィルムで撮った写真が一枚もないなんて世代の人がほとんどになってしまう前に撮り残しておくのも良いかと思います。